ファージー・ガーデン Furzey Gardens
ニューフォレスト国立公園の中心(Heat of New Forest)にとてもロマンチックなガーデンを見つけた。
ファージー・ガーデンという。また、学習障害(Learning Difficulties)の若者の園芸教育センター(Horticultural Training Centre)という
他所では見られない慈善団体であることにも関心を抱く。
そしてもう一つ特筆すべきことは今年のチェルシー・フラワーショー(RHS Chelsea Flower Show)でゴールドメダルを受賞したことだ。
複数のサイトにオープン時間が"10-dusk"と記載されていた。夕暮れまでとはありがたやと17時25分に到着した。パーキングに車の数が少ない。
いやな予感がする。エントランスに行くと女性が二人後片付けをしている。「オープンは17時までよ」とのことだ。(帰国してホームページを調べると"10-17"となっている)
期待が大きかっただけにガッカリした顔が出たのだろう。「少しだけなら見てもいいわよ」と言ってくれる。ここは入場料ではなく"Donation"するシステムと知っていたので
それなりの寄付をすると、ガーデンマップをくれて「1時間くらいなら出口を開けておくは。でも、ウッドランドの奥の方に行っちゃあダメよ」と柔軟になった。ありがたや。
写真上左がエントランスで"Main Gallery & Refreshment"でもある。ダイアモンドジュビリーの飾り付けが茅葺のハウスには相応しくない。
隣の茅葺屋根のコテージ(Forest Cobb Cottage)は16世紀のものだという(写真上左から2枚目)。コテージの前にはキッチンガーデンがある(写真上右から2枚目)。
案山子もおもちゃの兵隊さん風で楽しい(写真下左2枚)。ガーデンの真ん中にサンダイアルが鎮座していた。
その隣が"Thaching Project & Childrens' Straw House"と表示されたエリアだ。子供の遊び場として小さなストロウ・ハウスがあり、
茅葺の道具や材料が展示され、工事の工程が分かるように展示されている。茅葺屋根の付いたベンチなど子供が喜びそうだ(写真上右、下右2枚)。
池がある方に向かう。ここは湿地帯のようだ。湿地の好きなサクラソウが群生している(写真上左)。かなり大きい池が見えてきた。 周囲の樹木の植栽が素晴らしい(写真上左から2枚目)。林の中に可愛い"Thached Shelter"が立っている(写真下左)。 池には素朴な太鼓橋が架かり、睡蓮や黄菖蒲が咲いている(写真下左から2枚目)。良い雰囲気だ。太鼓橋のたもとの木陰に"Elf Bower"がある(写真上右から2枚目、下中)。 ”妖精の東屋”という訳だ。ここで一つ目の"Fairy Door"(後述)も発見する。いよいよ妖精が現れそうな雰囲気になってきた。 林の下の豊かな植栽の小道を行くと石楠花に埋もれそうな木橋の向こうに面白いものが見える。
それが"Typhoon Tower"だ(写真上5枚)。第二次大戦中に墜落したイギリスの戦闘機"The Hawker Typhoon"が見えた場所なのでTyphoon Towerなのだという。
古びた木材と茅葺の屋根はノスタルジアを覚える。狭い入り口(写真上中)を入ると中には細い階段があり2階に登ることができる。
妻は早速登って歓声を上げている。小柄な妻だから出来ることだが、”何とかと煙は高いところが好き”とは良く言ったものだ。
小さな子供達には冒険心をそそられ堪らない場所だろう。夢も希望も膨らむ。
それにつけても、フェンスの材木の天然の曲がり具合の美しさに、思わず撫でてみる。暖かな手触りだ。
先に進むと、天然木で組まれた素朴なアーチにつる性植物が絡むトンネルがある(写真下左2枚)。ここでは"Fairy Door"を幾つも見つけた。
"Christian Retreat House"といわれる大きな茅葺のハウスが見えてきたが非公開だ(写真下右から2枚目)。ハウスの周りはジギタリスが沢山咲いている。
その先の美しい石楠花の間に、また面白い建物が見えてきた。
"Tree Houses"だ(写真下左から2枚目)。ここは"Childrens' Play Area"で、小さな三角屋根の丸いハウスや地面を這って通るトンネルなどがある。
子供にとっては天国だろう。妖精も子供たちと一緒に飛び交っていることだろう。しかし、今は誰もいないのでツリーハウスに登ってみる。
下から見ればわずかの高さに見えるが、登ってみると見晴らしが良い(写真下左)。(やっぱり私も”高いところが好き”な口だ)
Christian Retreat Houseの反対側を通って戻ることにする。ザ・マナーハウスで見かけた巨大傘咲きルピナスがここにもある。こちらは藤色で更に鮮やかだ(写真下右から2枚目)。
茅葺の巨大ガゼボがある(写真下右)。ここではガゼボの中の大きな一枚板でできたテーブル"Giant Table"が自慢らしい。
最初に「ロマンチックなガーデンを見つけた」と書いた。それは"Fairy Doors"という妖精の家がガーデン各所に30以上あるというのだ。
妖精の東屋で妻が一つ目を見つけた(写真上左)。木の幹に組み込まれたドアーは極めて素朴で目立たない。回りが汚れているのは子供たちが妖精に捧げた花や手紙だ。
この後がなかなか見つからない。台風タワーの周りには絶対ありそうだと探し回ったが、見つからなかった。
素朴なアーチのトンネルで妻が2つ目を見つける。私が写真を撮っている間に、妻は次々と見つけていく。ここでは4つ見つかった(写真下左4枚)。
どのドアーも高さ20cmくらいの小さなドアーだ。私が屈みこんで写真を撮っている間に沢山見つけて鼻高々の妻が憎たらしい。
Childrens' Play Areaにもあるに違いないと探したが、見つからなかった。Giant Tableの近くの潅木の下でまた妻が見つけた。
丸太をくりぬいた家だ。窓もあってモダンな家になっている。ドアーが開いていて妖精が見える。(これは小さなキューピー人形に違いないが、
余り細かく詮索しないが互いの幸せというものだ) 郵便受け? には子供たちの手紙や花束が置いてある(写真上中2枚)。
この家を作ったのは屋根葺き職人のサイモン(Sinkinson)だという。子供たちだけでなく大人にもとても夢と希望をもらえるアイディアだ。
写真上右の一輪車に乗った茅葺屋根の小屋にはクジャクと思われる鳥のオブジェが幾つも入っている。ユーモラスだ。
丁度1時間が経った。出口に行くと先ほどの女性が出てきた。待っていてくれたのだ。礼を言い「Fairy Doorsを6つしか見つけられなかった」と言うと、
「明日も来たら良いわ」とにっこりする。「明後日に来るよ」と応える。(この時は本気だったのだが、大雨でフェアリー探しには不向きだったのだ)
Address | Minstead, Lyndhurst SO43 7GL |
Telephone | 02380 812464 |
Web Site | Furzey Gardens |
オープンの日・時間や入場料は Web Site あるいは
Gardens Finder
Gardens Guideで確認ください。
「旅行記」もご覧ください。